中村 恭子

2022.3.28

以下は未来構想デザインコース学生によるインタビューです。
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研究内容について教えてください

学生時代から主に自然の天然の素材を絵の具に使って、膠(にかわ)という動物のコラーゲンのようなものを水で溶いて接着して描いていくという「日本画」というジャンルを描いてきました。

その自分自身の作品製作を通して、創造性とは何かとか、創造行為というのがどう可能かとかそういったことを研究してきました。なので、いわゆるみなさんが想定するアーティストとか画家さんというのは、絵画作品が目的にあって、それを販売したりとか展示したりといった活動をされるイメージがあると思うのですが、私はそういったこと(展覧会は研究発表のような形ではしてきたが、販売のようなこと)を全然したことがなくて、作品が目的ではなくて、制作の中で想像に触っていくようなことをやってきました。

先生の考える「未来構想デザイン」とはどのようなものか

私が考える想像っていうのは、いい塩梅の自分の企画と実現のギャップをどうやって開くかということです。そこには思いもよらないような、それこそ外部というものが降りてくる。規定された想像っていうのはいわゆる擬似外部で、まったくの外部ではないです。外部が降りてくるためのギャップを開く仕掛けを作って、それをどうできるかということを考えているんです。

未来構想デザインって何だろうっていうのを自分の研究から考えてみた時に、未来っていうのはやっぱりその外部だと思うんです。未来を想定するものではなくてあるものとして考える、いかに未来という外部を召喚するかっていう仕掛けを構想してそれをデザインしていくっていうのが、私にとっての未来構想デザインというふうに思っています。

先生の専門分野はそれにどのように関わっているか

デザインってどうしても誰かの為に何かのためにというのがあって、そこから構成されていくものだと思うんです。しかし、デザインにもやっぱりそういう秩序だったところからできる限り逃れて脱線して行くようなことが構想できると思うんですよね。だからそういうようなデザインというのを示していけたらいいなと思っています。

未来構想デザインコースの学生へのメッセージ

やっぱり外部を感じてほしいです。なんかすごく大変なことのように感じるかもしれないですけど日常の中にものすごくいっぱいあります。誰にとっても意味がないけれども自分にとって意味がある、そういう異質だけれどもとても普遍的な外部っていうものが特別なものではなくって日常の中にたくさんあるのでそれを探して感じてもらえたらなと思います。

インタビュー・編集:佐藤広武、栗田大夢、牛尾桜(未来構想デザインコース学生)