池田 美奈子

2021.5.10

以下は未来構想デザインコース学生によるインタビューです。
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研究内容を教えてください

もともと私は編集者で、情報をどんなふうにデザインしていくのかということに興味があるんです。編集は全然違うものを一つの文脈にまとめあげていって、それをさらに本とか展示とか広報戦略とかにアウトプットしていくデザインなんです。私は九州に来てから伝統工芸がたくさんあるということに感激して、伝統工芸の良さを見つけてそれを現在の生活に合うようにデザインし直し、発信していくというプロジェクトをもうかれこれ10年以上ほとんどライフワークのようにしてやっています。一見関係なさそうなものを次々とつなげて一つの文脈を作っていくというのが編集の考え方で、それを形にする技術を持っていればいろんなことができる、というのが私の専門です。広い意味での編集思考と編集の実践ですね。越境する編集とか、拡張する編集という表現をしたりもします。編集する上では切り口が大事で、当たり前を捨ててもう一度見直すことで新しい視点を発想していくんです。

先生の考える「未来構想デザイン」とはどのようなものですか

構想は妄想と違って、リサーチしたり知識を積んだりして、ある切り口からこういう未来が欲しいなというのが見えて、確信が持てたらその未来を作っていこうとする、ということなんじゃないかなと思います。私たちには来て欲しい未来というものがあるし、私たちの子供や孫が幸せに生活している、その姿をイメージして実現しようとすることがデザインなんだと思います。ビジュアルとしてイメージできていることが大切かなと思いますね。

未来の学生へのメッセージ

なんとかならない人は世の中にほとんどいないということですかね。あと数年すると就職活動とか、元気がなくなっちゃう時があるんですよ。でもなんとかなっていない人は見たことがないし、これまでの学生さんでもうまくいかないことやうまくいくことを重ねて自分に合うことを見つけてみんな幸せそうに生きていますね。私は行き当たりばったりの中から生まれる驚きのようなものが好きで、夢とか展望とかいったものに縛られすぎないようにしています。今日は明日の準備ではなくて、明日は明後日の準備ではなくて、今日は今日なのだから、今日は今日で精一杯生きて、明日は今日の続きとして一生懸命生きて、そうするといつしか何かが達成できているものですよね。

インタビュー・編集:山領早穂、中山弘一、阿南修平(未来構想デザインコース学生)