栗山 斉

2021.5.10

以下は未来構想デザインコース学生によるインタビューです。
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研究内容について教えてください

主に現代アートの分野で作品の制作および展示を行なっています。また並行して、基礎デザインという分野では、いろんな造形表現に共通する基礎的な要素を科学的に分析するような研究も行っています。例えば、一般的に「美しい」とされているものを分析してみると、ある種の美の秩序が潜んでいることが多く見受けられます。そのような要素を体系化することによって、造形の文法のようなものを導き出し、ものづくりに役立てたいと思っています。

栗山先生の考える「未来構想デザイン」とはどのようなものですか

このコースには、アート・デザイン、情報・生命科学、社会構想という3つの柱がありますよね。アート・デザインのような「表現する」ジャンルはプラットフォーム的な役割を担えると私は思うんです。元来、アートには他の分野と結びつきやすい性質があります。例えば、社会構想や情報・生命科学の分野で得られた新たな知見を分野横断的に応用して、表現へと昇華させることもできます。そのような活動によって、「未来構想デザイン」が生み出されていくんじゃないかなと思っています。また、皆さんが思い描いている「未来構想デザイン」はそれぞれに異なるものだと思いますが、それでいいのだと思っています。皆さんが、それぞれに自分の「未来構想デザイン」を作ればいいと思うんですよね。逆に「こういうものだ」っていう指針を示してしまうと、枠にとらわれない表現が難しくなってきますよね。「予想もしていなかったような表現」、「良い意味でこちらの意図を裏切るような解釈」、、、そのようなものが生み出されることを楽しみにしています。

未来の学生へのメッセージ

皆さんはそれぞれに興味のある分野があると思いますが、その周辺にあるような分野にも今のうちに積極的に手を伸ばしておいた方がいいんじゃないかなと思います。自分の活動方針が定まってくると、どんどん他の分野に手を伸ばしづらくなっていくんですよね。それは自分の可能性を狭めてしまうことにもなりかねないので、すごくもったいないなって思うんです。今のうちにいろんな分野の知識を吸収して、自分の引き出しをたくさん増やしておけば、将来きっと役立てることができると思います。また、学内だけではなく外にも目を向けて、実際に足を動かして、五感を使っていろんな物事を体験して、自分の感覚をどんどん研ぎ澄ましていってほしいと思っています。

インタビュー・編集:山領早穂、中山弘一、阿南修平(未来構想デザインコース学生)