高木英行先生

2021.5.25

未来構想デザインコース担当教員へのインタビューです。

研究内容について教えてください

キーワードで言うとコンピューテーショナルインテリジェント、知能情報、計算知能とか。もともとは自然だとか動物とか植物とか上手いことやっているからずっと何百年も生きていて、だから上手いことやっている仕組みがあるはずなんですよ。その上手いことやっている自然の仕組みを「どうやっている」って言う仕組みさえ分かればコンピューターの中で実現することができますよね。コンピューターで実現できると言うことはコンピューターを賢くすることができるということです。そういう風に自然で上手いことやっているものを上手いことコンピューターに導入してあげましょうという風に研究をしています。今は人間の得意な評価、だけども不得意な最適化、それとは逆にコンピューターは最適化が得意というのを組み合わせて、人間の能力とコンピューターの能力が協力し合うようなもの(専門的には AI ではなく IA と呼ばれる)を研究しています。

先生の考える「未来構想デザイン」とはどのようなものか

未来では「社会の様々な仕組み」をデザインすることをコンセプトとしています。「仕組み」というのは文系っぽいけれど、文系ではなく芸術工学の中で考える。そのためにはまず芸術工学というのが何かという話をしないといけないと思うんですけど、芸術工学というのが何かというと、技術の性能を上げるのは工学の仕事で、技術を使うユーザーの立場から技術を捉える視点でするのが芸術工学なんです。芸術工学とは人間の生活を豊かにするために、人間を中心にするような工学というニュアンスです。だから芸術工学における未来構想デザインでは、「仕組み」を思想で終わらせるのではなく、技術やその具体的な効用など全部含めた上で総合的に考えるようなことをしてほしいです。

先生の専門分野はそれにどのように関わっているか

技術としては、複雑系だとか人工生命なんていうのはシミュレーションに生きます。それから政策をベストにしたいとかの話については、それは最適化の話ですよね。

未来の学生へのメッセージ

授業がものすごく幅広く用意されているのが芸術工学の特徴なんですけど、自分が好きだからとつまみ食いしたり片方だけに偏ったようなやり方をしたら困る。少ない多いはあっても良いけれどもこっちの方もこっちの方もと両方触ってないと芸術工学のベースにならないよというのは強く思います。

インタビュー・編集:牛尾桜、佐藤広武栗田大夢(未来構想デザインコース学生)