生命科学入門Ⅰ

2022.1.25

2年生 秋学期

生命とは何か?その壮大な問いを横目に見ながら、身近な生命現象の観察を通して生命の共通性と多様性について理解し、生命の仕組みやバイオテクノロジーを利用したデザインのヒントを得ることが本授業の目的です。

初回はキャンパス内の生物多様性を調べ、41目77種の動植物を同定しました。その後、環境と生物の相互作用である生態系やエネルギー代謝により保たれている生命体の秩序を概観し、動物以外の生物も環境把握を行っていることを学び、植物の葉緑体が光に反応して動く現象を利用した像(写真a)を制作しました。また、生命現象の担い手として重要なタンパク 、遺伝情報としての核酸の性質を学び、多様性の源についてDNA、進化、性から考えました。身近な食材からのDNA抽出や、機械学習を使ったタンパク質の立体構造予測も体験しました。

a: 葉緑体光定位運動によるシマウマの像

さらに、近年注目されているバイオファブリケーションの可能性について、身近な微生物利用の例を学び、バイオテクノロジーが社会にもたらすことを考えました。

パインとウォッカで抽出したイチゴのDNA
ランダムに入力したアミノ酸配列から予測されたタンパク の立体構造
テンペ菌(クモノスカビ)の菌糸

教員

  • 平松千尋:生命科学
  • 井上大介:ナノテクノロジー・バイオアート